前回号で、丸山さんが在宅訪問の患者さんについて紹介しました。今回は、私が3月から担当しているMさんについて、ご紹介しようと思います。
Mさんは糖尿病を患っているのですが、以前から「つい薬を飲み忘れてしまって、薬がたくさん余ってしまう」とおっしゃっていました。どれぐらい残薬があるのか、薬局に一度持ってきてくださいとお願いしたところ、何と122日分も薬を持っていらっしゃいました。
分包紙に日付をつけて一包化して、カレンダーで管理できるようにしました。以前のようにほとんど服薬できないということはなくなりましたが、1ヵ月のうち半分くらいはまだ飲み忘れてしまいます。
どうしたら忘れず服用できるのか、お尋ねしたところ、「毎日電話してくれたら飲める」とおっしゃり、ただ今できる限り毎日電話中です。
Mさんは10年ほど前に奥様に先立たれて独居となり、趣味のゴルフやマレットゴルフ、将棋などに打ち込まれており、訪問した折にたくさんのトロフィーや賞状を見せてくださいます。この日も、いとこの方と将棋を打っていらっしゃいました。
そんな様子を伺っていると、なぜ薬だけ服用できないのか不思議です。服用についても生活の中の習慣に取り入れて、一日も長く大好きな趣味を続けていけるように、お手伝いできたらいいなと考えています。