文化事業部レポート/サンタ通信2014.12月号

養命酒製造㈱(本社:東京渋谷)の川村昌平会長に1時間ほどインタビューする機会がありました。

同社が、この年初、株価の上昇で注目された、いわゆるキャッシュリッチ企業(金持ち企業)のひとつであることを知ったのは、少し後のことになります。

キャッシュリッチ企業というのは、実質無借金、手元資金潤沢な企業のことで、同社の手元資金や保有する有価証券を合わせると200億円ぐらいになるそうです(同社株式の時価総額は325億円)。マブチモーターや双葉電子、理想科学、ハウスカレーなどがそうですね。

「養命酒」の販売額は平成8年がピークで、以後漸減、しかも総売上げの98%が「養命酒」であったのですから、先の見通しは真っ暗でした。これに対し同社は、平成16年を初年度とする中期経営計画を3次まで立案し(現在第3次の3年目)、その実行を通して上記のような「金持ち企業」に生まれ変わったわけです。それを指揮したのが川村会長でした。

この間、リストラもしたし、大正製薬との業務・資本提携、養命酒のリニューアル(今、養命酒は2類医薬品の「薬用養命酒」のみ、酒店では売っていない)、ハーブのお酒や食前酢など新商品開発、また新規事業もいろいろ展開しています。

その際のキーワードは、従来の「滋養強壮」から「セルフメディケーション」という消費ニーズへの対応。それは、商品や販売チャンネル、プロモーション、マネジメント体制まですべて見直すというもので、リストラも提携もリニューアルもその一環だったわけですね(現在の売上げ構成比で養命酒は90%)。

それで10年! この10年の意義を、「養命酒」に胡坐(あぐら)をかいていたら育つはずがなかった人材―変革に堪え得る人材が、育ちつつあることというのです。そのためなら、ひとつふたつ事業が失敗してもいいのだそうです。

さて、デフレが終息した今、ただ持っていれば目減りする潤沢な資金をどうするか、そこにも注目なわけですね。 (北島)

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