全国の薬学部では、今年度の新入学生より、文部科学省が定める新しい薬学教育モデル・コアカリキュラムが導入されている。
最近の薬剤師国家試験の傾向にも見て取れるように、臨床系の設問が多く配置されており、現場に沿った内容をいかに学習してきたかが問われる内容になっている。そのため、実務実習で体験、経験した内容が国家試験に出題され、実習生より、実習が役に立ったことを聞くとうれしい限りである。
今回の改定で大きく異なるのは、薬局・病院の垣根を取り払い、患者やその疾患に対し薬剤師としてどう取り組むのか? という部分である。必須疾患数は200以上に上り、現場で困らないような取組みになっている。
一方で、現在の1年生が実務実習を行うときには、在宅や一般用医薬品の供給においても、患者さんに対して発言・提案などを行うようになっており、病院などのカンファランスでも考えた内容を提案するように求められている。
モデル・コアカリキュラムは、前回のものもそうであるが、未来を予想し、社会から求められる薬剤師の創出を行わなければならない。
4年後には、新しい薬学教育モデル・カリキュラムにより、実習生が全国で実習を行うことになるが、現場が一番遅れていると言われないよう、日々の研鑽が必要である。