良いチームワークとは? 強いチームづくりに大切な5つのこと!-中島成一/特別寄稿/サンタ通信2016.7月号

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人は何らかのチームに所属しているものです。それは学生でも社会人でも同じことです。チームで何かに取り組むならば、当然良いチームワークで作業したいですよね?

ではどうすれば良いチームワークをつくることができるのでしょうか? ここでは、チームワークとは何か、「良いチームワークに大切な5つのこと」と「2つの名言」をご紹介します。

1 「チームワークとは何か」を考えたことがありますか?

チームワークは、チームで問題解決をしたり、作業する際にはとても大切なものになります。学生時代なら、体育祭や部活動で、また、野球、バレーボールなどの団体競技のスポーツや、看護・介護などの職場まで幅広くチームワークが求められています。

また就職活動中の人であれば、「チームワークとは何か?」と面接で問われることもあるでしょうし、「チームワークとは」という小論文を書かなければならないこともあるでしょう。

普段、何気なく使っている言葉、耳にする言葉の方が、改めて定義を説明したり、自分なりの考えを示したりするのは難しいものです。ここでは、チームワークとは何か? ということから、チームワークに大切なこと、チームワークに関する名言を紹介します。これを機会に、ご自分なりにチームワークとは何か? を考えてみてください。きっと明日からの生活に役立つはずです。

2 チームワークとは何か?

1)チームワークの意味

ではまず具体的に、チームワークとは何か? ということを考えてみましょう。

辞書によると、チームワークとは「チームの成員が協力して行動するためのチーム内の団結や連携。また、そのような協力態勢」とあります。

例文としては、「チームワークに欠ける」などがあります。

このように、チームワークとは、2人以上の成員が、物事を成し遂げるために一致団結し、連携をとって協力することです。この言葉を考え進めていくと、自分なりの「チームワークとは何か?」が発見できるのではないでしょうか?

よく「1+1=2以上になる」ということを聞きます。これぞチームワークのなせる技ではないでしょうか?

一人ひとりの力を集めると、個人の能力をはるかに超えた結果が出せる、そのような関係性をつくり上げていくのがチームワークの目標です。

2)良いチームワークとは

チームワークとは「物事を成し遂げるために団結し連携を取る協力体制のこと」とありました。ではチームワークが良いチームは、チームワークに欠けるチームと比べると、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」というものをご存知でしょうか? これは、「その年、最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを表彰する」というアワードです。

このベストチーム・オブ・ザ・イヤーの選考基準に以下の5つが挙げられるそうです。

◆効果 ◆効率 ◆満足 ◆学習 ◆人重視

この5つがチームのアウトプットである、とドイツの学者が定義しているそうです。

結果や効率だけではなく、良いチームで活動することに全メンバー構成員である人が生かされて、満足度や学習できたと感じる度合が含まれていることがとても興味深いです。

チームワークというと、ついつい「効率よく作業をして、良い結果を残せるチーム」だと考えてしまいがちですが、本当に良いチームワークとは、良い結果が残せること、効率が良いことはもちろん、参加した人それぞれの満足度が高く、勉強になった、学ぶことが多かった、そしてその構成員全員が成長したと感じるチームなのです。

3 良いチームワークに大切な5つのこと

学生でも社会人でも、チームワークとは非常に大切なものです。良いチームワークに恵まれることは、その人の人生に大きな影響を与えるでしょう。

仲間で助け合うことはもちろん、自分でも率先して良いチームワークをつくりたいですね。ではどのようにすれば良いチームワークがつくれるのでしょうか? ここではチームワークに大切なことを紹介します。

1)チーム全員が明確な目標を共有すること

チームで仕事をするうえで、またチームで何かを成し遂げるうえで、最も重要な事柄が、チーム全員が同じ目標に向かっているということではないでしょうか? 何を当たり前な! と思うかもしれませんが、これは口で言うほど簡単なことではありません。

仕事にしろ、その他のことにしろ、チームで活動するということは、最終的に達成すべき目標があるはずです。もちろんざっくりとした「○○をする」という目標は全員一致しているでしょうが、その内容が明確になっていない場合も多いのではないでしょうか?

このチームが活動するにあたって、明確な目標を共有する、意思統一をしておくということが、その後の作業をスムーズに進めるためには欠かせない事柄であり、これにより、先ほどの効果・効率・満足・学習・人重視というチームワークの5つのアウトプットが変わってくるでしょう。良いチームワークにするためにも、まず一番最初に、チームが向かうべき明確な目標を共有することが、とても大切なのです。

2)自分がすべきことをしっかりと認識すること

チームで活動するのですから、当然役割分担が行われるはずです。この役割分担をしっかりと意識することが、良いチームワークを生み出すために欠かせないのではないでしょうか?

大きなプロジェクトに向かっていると、ときには自分がすべきことを超えて、他人の領域に踏み込んだり、口を出してしまうこともあるでしょう。もちろん経験豊富な立場の人が新人に対してアドバイスをすることは必要かもしれませんが、何もかも指示していたのではチームワークの意味がありません。

また、反対に自分も役割分担しているけれど、誰かに助けてもらえばいいや、と考える人がいたとすれば、チームの歯車が狂ってしまいかねません。

人の領域に踏み込む前に、また人に助けてもらおうと考える前に、まず自分に与えられた役割をしっかりと認識することが大切です。

そして、その与えられた役割を、できる限りの努力でしっかりと果たすことが大切なのです。チームのメンバーそれぞれが、与えられた自分の役割をしっかりこなし、結果を出すことが、チーム全体を成功に導くために欠かせないことなのです。

3)チームメンバー全員が積極的に取り組むこと

良いチームワークのためには、チームメンバーの全員が、そのプロジェクトに積極的に取り組むことが大切です。このためにも、1)の「明確な目標の共有」は非常に重要なものになってくるのです。もしメンバー内でそのプロジェクト成功に対する思いに温度差があったらどうでしょうか?

一人は、「何が何でも成功させたい!」と意気込んでいるけれど、もう一人は、「自分は言われたことを最低限こなすだけでいい」、もう一人は「誰かについていけばいい」という具合なら、これは良いチームワークとは言えないでしょう。

当然メンバー内には、先輩もいれば後輩もいる、上司もいれば部下もいるでしょうが、一人ひとりがそれぞれの立場にありながらも、全員が常に向上心をもって、しっかりと自律し、積極的に取り組むことが大切なのです。

そのプロジェクトに対して積極的に取り組むことができるということが、良いチームワークにするためにとても大切なのです。

4)チームの基本「報・連・相」を忘れない

先ほど2)で「自分の役割分担をしっかりと果たすこと」と記載しましたが、何も一人だけで作業を進めればいいわけではありません。チームで作業するうえで欠かせないといわれている、「ほうれんそう」(=報告・連絡・相談)は、良いチームワークにするために、欠かせないことではないでしょうか。

反対に、報告・連絡・相談がないチームだと、安心して各自の役割分担をこなすことができません。誰が何をやっているのかわからない、チームメイトの作業がどこまで進んでいるのかわからない、全体的な進捗状況がわからない、などがあれば、不安になって自分の作業を進めることができなくなるでしょう。

また、報告もせずに独りよがりな作業になってしまっているかもしれませんし、連絡をしないことで、無駄な作業が発生しているかもしれません。相談をしないことで、大きな間違いを犯しているかもしれないのです。

各自が、自分の役割分担をしっかりこなすためにも、報告・連絡・相談の機会を定期的に設け、全体で同じ情報を共有することが、良いチームワークに欠かせないのです。

5)リーダーがその役割を十分に果たせていること

良いチームワークには、各自が自律して積極的に仕事に取り組むことや、役割分担をきちんと果たすこと、全員で同じゴールを目指すこと、「報・連・相」を怠らないことなどを挙げてきました。これらはとても大切なことでチームメンバーが各自認識しておくべきです。

しかし良いチームワークにするためには、これらチームメンバー一人ひとりの行動とともに、チームリーダーの力量も大きく影響するでしょう。

各自に役割分担を割り振ることもリーダーの大切な仕事ですし、それぞれに報告の場を設けるのもリーダーの仕事です。全体に目を光らせて軌道修正したり、正しい方向に導くことも必要です。

今まで紹介したような、良いチームワークにするために大切なことを実施したり、指導したりするのは、やはりチームリーダーの仕事なのです。

このリーダーが、各自のことをしっかり把握できておらず、適材適所になっていなかったり、任せっぱなしだとバラバラのチームになってしまうでしょう。

良いチームワークにするためには、やはりチームリーダーがその役割を十分に果たせていることがとても大切なのです。

4 チームワークに関する2つの名言

【森田直行の名言】長期的な戦いで勝てるチームは…(京セラ・JALグループ副社長)

「長期的な戦いで勝てるチームはどこもチームワークがいい。スター選手は少なくとも、チームワークがいい組織は長期にわたって良い成績を残していけるんですね。リーダーを中心に一体感があり、一致協力の体制が取れています」

【宮内義彦の名言】突出した個がいても…(元オリックスグループCEO)

「プロ野球を見ても、イチロー選手がオリックスに在籍した92年から2000年の間でリーグ優勝できたのは2回だけ。突出した個がいてもチームとして強くなければ勝ち続けることはできません」

宮内さんの言には、どれだけ優れた才能をもった個人がいても、それだけでは駄目であることが表されています。優れた個人を活かすためにも、チーム全体の強さが必要であることがわかる名言です。

個人でプレーする競技であっても、まわりの協力なくして素晴らしい結果を残すことは難しいでしょう。ましてや、チームプレーともなればどれだけ個人が素晴らしい力をもっていても、チームの成績まで引き上げることはできません。

仕事もこれと同じではないでしょうか? チーム全体の力がないと、個人の力がどれだけ素晴らしくても、結果に反映させることはできないのです。個人の優れた力を十分に発揮するためにも、チーム全体の力量の底上げが必要なのです。

5 チームワークとは創るもの!

チームワークとは、というところから、良いチームワークにするために大切なこと5つと、チームワークに関する2つの名言を紹介しました。

チームワークとは「できるもの」ではなく「創るもの」なのかもしれません。チームリーダーの資質ももちろん重要ですが、それぞれが自律し、積極的に取り組むことが良いチームワークを生み出すことにつながるでしょう。

良いチームワークでプロジェクトに参加することができれば、さらに飛躍できるでしょう。そのためにも、自ら進んで良いチームワークをつくり上げることが大切だと考えます。

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