4 N-BCPの策定
1)策定体制について
N-BCPは、2014(平成26)年5月から2015(平成27)年8月まで、毎月1回開催される社内研修会の場で検討が行われ、9月とりまとめ、10月公表という経緯で作成されました。原則、社員は自由参加(実績は、ほぼ全員が参加)で、回ごとに、「課題提示-レポート作成・提出-とりまとめ」というサイクルで進められました。文化事業部がコーディネータとなり、代表取締役(以下、「社長」という。)及び総務部長がオブザーバーを務めました。また、計画文章は文化事業部が作成し、社長及び総務部長が校閲を行っています。
2)N-BCP体制について
N-BCPが想定する危機事象が発生したとき、社長(または代行者)がN-BCP体制を発令します。以後、社長(または代行者)がN-BCP体制の終結を宣言するまで、社長(または代行者)をトップとするN-BCPが規定する指揮命令系統に社員全員が組み込まれます。
【資料1】N-BCP体制
【資料2】N-BCP体制と指揮命令系統
【資料3】緊急連絡網
3)N-BCP策定の手順
N-BCPでは、幾種類かの危機事象を個別に想定し、次の手順を経て、最終的に具体的な課題と対策を見出すことに策定作業の主眼を置いています。その課題と対策は、計画公表以降、短期~中長期的な視点で、順次実行が図られるもので、そのアウトプットが各種マニュアルでありチェックリストということになります。先に記したように、通常のBCPが掲げる「非常時優先業務一覧」や「業務復旧・継続目標(スケジュール)」などは、各種マニュアルとして後日整備することになります。
[危機事象の内容]
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[このとき、まず応急に対応すべきこと]
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[以上を実施・実行するうえで、心配・懸念されること、不足すること、不備な点など]
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[各薬局・各自が日常的に用意・準備しておくべきこと]
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[会社として中長期的に用意・準備しておくべきこと]
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[各種マニュアル・チェックリスト・各種対策実施計画の策定]
4)想定される危機事象
さまざま想定される危機事象から、N-BCPが検討の対象とすべき具体的危機事象を抽出するため、全社員にレポート及びアンケートを求めました。寄せられた延べ244の事象の内訳は次のとおりです。これはもちろん、薬局という特性、当社の特性、地域性などを反映した固有の傾向を示しています。これらを参考に、具体的危機事象を抽出しました。
5)安否確認と社員参集調査
大きな災害が発生し交通網が寸断、休日等営業時間外に各薬局員が所属薬局まで自宅から徒歩で向かったと仮定し、参集に要する時間の調査を行いました。集計結果は次のとおりです。一方、各薬局員の安否確認や被災状況の連絡、また状況に応じて、誰が薬局に駆けつけ、誰が自宅待機するなど、いくつかの難しい課題も指摘されています。
6)業務仕分け
BCPにおいては、危機事象が発生して人員や資機材・原材料・ライフラインなどが制約を受ける状況の中で、これらの限られた経営資源をその企業の中核事業に選択的・集中的に投入して、早急に事業を復旧させ、業務を継続させることが求められています。薬局の中核業務はいうまでもなく調剤ですが、この業務は非常に複雑な工程からなっています。中核的な業務以外は積極的に休止ないし延期することが求められていますが、調剤の前後工程については、代替手段の導入を含め、多くの検討・調整事項が存在します(参照:「薬局BCP作成ガイド」東京都福祉保健局)。
【資料7】「業務仕分け」レポート
7)N-BCPの策定理念・事業継続方針
N-BCP策定作業の中で、あるいは現に危機事象に対処する中で、AかBかの判断、あるいは、必要な対応の選択を迫られたとき、私たちは何を根拠にしてそれを判断し選択するのか。そのもととなるのが、「策定理念・事業継続方針」です。N-BCPでは、これを次のように定めました。
①お客様・患者様の健康と安全・安心
②社員の安全・安心、雇用と生活
③医薬品の安定供給
④会社の営業の継続・発展
⑤6薬局の連携
⑥地域との連携と地域貢献
【資料8】中島薬局事業継続方針、事業継続計画策定理念