[危機事象の内容]
2015(平成27)年3月2日早朝から午前中にかけて、長野県北部・東部を中心に約38万戸が停電する大事故が発生しました。㈱中島薬局各薬局もその対応に追われ、午前中の業務に少なからぬ影響が及びました。後日、それへの対応、さらには課題や対策について調査を行い、その概要が『サンタ通信』2015年3月号に掲載されました。
〈調査の概要〉
3月2日(月)早朝から午前にかけて発生した長野県大停電について、各薬局の停電の状況、それへの対応、さらに課題・対策などについて調査を行った。調査は文化事業部が担当し、翌3日、各薬局に調査シートを配布、その週のうちにすべて回答を得た。
調査項目は①~⑬とし、その内容は上記のとおり(略)である。順次対応につきその概要を紹介する。「課題や必要な対策」については後日N-BCPで取り上げる。
①出社時の状況・停電の状況
各薬局が広域に立地するため、地域により停電の状況に差異がみられた。飯綱グリーン薬局では、停電の影響はほとんどなかった。また、薬局の構造により、ガーデン薬局のように電子キーが作動せずまったく入室できないケースもあった。いずれの場合も、午前9時台に電力は順次復旧した。
②開店準備・判断・連絡など
機器類はまったく作動せず、また、店内固定電話(光)も通じなかった。連絡は携帯で取り合い、社長または総務部長から対処方法について指示を受けた。入り口に「営業中」の貼り紙を掲示した。
③最寄りの医療機関の状況
停電の影響を受けた医療機関(豊野病院や須坂病院。新生病院や飯綱病院は通常どおり)は、急患や薬のみなどを受け付け、手書きの処方箋を発行。会計は後日で対応。
④来店者への対応
来店者は少なかったが、自動ドアは手で開閉してお迎え・お見送りし、また、店内が暗かったので足元に気をつけるよう声掛け。
⑤調剤
機器を使用せず作れるものは作って対応。作れないものは、後日、取りに来ていただくか配達。
⑥事務
レセコン入力不可、処方箋は預かり後日会計、OTCは手書き領収書で対応。あるいは、手計算による会計で対応。
⑦来店者への交付物
とくになし。
⑧会計
レジは鍵で開け、OTCは手計算で対応。レシートなし、復旧した後でレジ打ち。処方箋は後日精算。
⑨新患受付
対応なし。
⑩電力復旧時の対応、機器チェックなど
チェックしたが、問題なし。電子機器大丈夫か。
⑪以後の事務処理などの状況
手計算した処方箋をレセコン入力して照合。OTC販売済みのものをレジ入力。
⑫暖房やお茶など
コンロ持参した薬局員あり。
⑬その他
[各薬局・各自が日常的に用意・準備しておくべきこと]
【薬-Ⅰ】紙ベースの記入用書式、計算用式などを用意する(張り紙類も) |
【薬-Ⅱ】電子機器類について、停電・通電時のチェックリスト、データのバックアップ |
【薬-Ⅲ】薬局内の電力・通信等回線の系統のチェック |
[会社として中長期的に用意・準備しておくべきこと]
【会-Ⅰ】停電時の連絡体制の構築(近隣医療機関との連絡も含め) | |
【会-Ⅱ】停電時の調剤および事務の仕方についてマニュアルを作成する | |
【会-Ⅲ】自家発電装置・非常用電源・懐中電灯、その他防災用品の配備 |
[基本課題]
【基-Ⅰ】調剤業務の基本に立ち返り、手作業にもある程度習熟 | |
【基-Ⅱ】薬局事務の基本に立ち返り、手作業にもある程度習熟 | |
【基-Ⅲ】調剤機器類・事務機器類の機能・役割の理解 |