2020年12月1日

2020年12月/台風19号災害から1年、そしてコロナ禍

令和元年台風19号水害からこの10月で丸1年が過ぎました。この間、文字どおり多事多端の中で、あっという間に時は過ぎ、しかしおかげさまで、奇跡のように、いくつかの成果を実現することができました。

被災から2か月を経た12月16日、中島薬局を復興オープン、いち早く漆黒の豊野町の夜に明かりを灯しました。次いでゴールデンウイーク明けの本年5月7日、ガーデン薬局&オフィスを復興オープン。ここに、当社本部機能を完全回復。さらに8月1日には、新規に吉田グリーン薬局をオープン。この薬局は、当社としては7番目の薬局で、長野市街地へ初進出させていただきました。

このように、1年間に2薬局復興・復旧、1薬局新規開設という、私とて前代未聞の仕事は、社員の団結・協力、関係者のご協力・ご支援の賜であることはもちろんですが、何よりも地域の皆様の存在がそのバックボーンにあってこそ、成し遂げられたのです。

それは、「日々薬局を尋ねてくださる患者様・お客様とのつながりを、こんなことで無残に断ち切られてなるものか」という切迫した意志です。

翻れば、消費税増税対策、キャッシュレス化とプレミアム商品券など増税緩和措置への対応、人口減少対策としての当社新規事業プロジェクトと展開、SNS対応等々、さまざまな事業が緒に就き始めたところを、水害に襲われたのですが、これらの取り組みに通底していたのも、「患者様・お客様をお迎えする姿勢・体制」の再構築でした。

100年に1度と言われる水害からの復興のさなか、今度は100年に1度の災厄が、世界を、日本を、地域を襲いました。いわずと知れた新型コロナ禍です。豊野町界隈では、ようやく被災住宅が取り壊されて空地が目立つようになったところ、これからが復興本番というところを新型コロナ禍が襲い、復旧・復興と併せて、この災厄への対応という、いまだ出口の見えない大仕事が加わったのです。

先の吉田グリーン薬局の新規開局を、当社は新型コロナ禍「四つの出口戦略」の一つとして位置付けています。各薬局ではもちろん、エタノール消毒や飛沫防止用アクリル板の設置、換気などに怠りはありません。さらに各薬局の改装整備を含め、これらはあくまでハード面での対応であり、四つの出口戦略は現時点でほぼ達成されつつあります。

課題はソフト面です。以前にも増して「社員全員が社会人としてのモラルを備え、「規律」と「秩序」を整え、「クリーンネス」を徹底し、患者様・お客様をお迎えすること」と、私は考えます。言い換えれば、これが我々のSDGsです。かつて、「ロボットではないお客様・患者様が望むサービス! それにお応えすべく、お客様・患者様と心が通じ合うサービス! ロボットにできないこと、インターネットではない「同志的結合」、人工知能ではない人として、その最高のかたちである「愛」をサービスのエンジンとしよう…」と私は書きました(2018年11月)。

コロナ禍の下で、テレワークやオンライン会議、ロボットデリバリー、アバターなどが話題を呼んでいます。しかし大切なことは、マスクを通して、アクリル板を通して、あるいはモニター画面で、「ロボットではない」患者様・お客様といかに心を通じさせるかということではないでしょうか。いや、コロナ禍で非接触を求められるからこそ、ますますそのことが重要になってくるのです。

この11月から始まった当社第26期は、「10年計画」の「7年目」と位置付けられます。この「10年計画」の目標年は2024年。団塊の世代が後期高齢者へと差し掛かる「2025年問題」の前年までに、少子高齢化・人口減少の下、いかに安定したサービス基盤を構築できるかが「10年計画」の最大のテーマです。それは、「患者様・お客様と心を通じさせること」。期ごとにその具体的内容は変わるのですが、水害を押して、コロナ禍にもめげず、薬局を尋ねてくださる患者様・お客様をどうお迎えするのか、このことが今期の重要な課題となるでしょう。

何とぞ、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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